青森県一三湖の蜆(しじみ)を仕入れ今の時期はお味噌汁にお出ししております。
しじみは二枚貝の中でも、小型で淡水に近いところに棲んでいます。
古くから肝臓に効く滋養食品として知られ、古い中国の薬物書には、
酒の飲みすぎで弱った肝臓を保護し、黄疸にも効果があると紹介されています。
しじみは、タウリン・アスパラギン酸・コハク酸が多く含まれているほか、
ミネラルも豊富で、カルシウムはあさりの4倍もの量が含まれています。
その他、「赤いビタミン」の異名を持ち、脳神経にも働き、
記憶力や集中力を高める効果のある ビタミンB12が、栄養豊富とされるうなぎに匹敵するほどの量が含まれているなど、魚介類のなかでもその含有量はシジミが筆頭格です。
たんぱく質についても、量は少ないながらも卵や牛肉と同等くらい良質なもので、
消化・吸収がよく肝臓に負担がかかりません。鉄についても、レバーと同程度含んでおり、貧血の予防、食欲や体力増進にも効果があります。
しかも、オルナニンというアミノ酸は燃えにくい脂肪を燃えやすくする効果もあり、ダイエット効果も期待できます。
また、アミノ酸のバランスがよく、プロテインスコアも100と最高の値を示しています。更に、不飽和脂肪酸、ステロール類が含まれるなど、コレステロールを上昇させる飽和脂肪酸はほとんどない理想の食品といえます。
また、お酒を飲んだ翌朝にはしじみを摂取するとよいとよく言われますが、これは、肝臓の働きを良くするメチオニン・タウニン・ビタミンB12の働きにより、貧血を防ぎ、肝臓のはたらきを増進させることから、肝臓病の対策や、アルコールの消化にも効果があるためと考えられています。